DNAチップ

DNAチップとは? DNAマクロアレイとも言い、基板上にDNA等を並べたものです。
応用範囲が広く、現在では遺伝子診断、食品の遺伝子分析等に使用されます。
その性質により今後需要が見込まれる予防医学での適用が期待されています。
他にも環境や食品などの分野での研究も進んでおり、年々市場規模が拡大して行くと予想されています。
オーダーメイド医療とDNAチップ 近年のヒトゲノム研究の成果によって、「体質」の遺伝的背景が解明されつつあります。
すなはち、これまで漠然と認識されていた病気のかかりやすさや太りやすさなどの「体質」には、
生活習慣などによる後天的要因も多く含まれるものの、遺伝的要因が関連していることが、様々な
例で示されてきました。
このような「体質」の遺伝的要因として注目されているのが、一塩基多型(SNP)です。
つまり、遺伝子のちょっとした違いによって様々な疾患へのかかりやすさやある薬品が身体に与える
影響の度合いなどが異なることが明らかにされつつあります。
従って、洋服を体型に合わせてオーダーするように、各患者で事前に判別したSNP情報をもとに、
一人ひとりの患者に対して薬物反応性などの体質や病気の質の違いを考慮に入れて、薬害の危険性が
少なく、より効果的な治療を行うというオーダーメイド医療が展望されています。
オーダーメイド医療を想定した場合、ベッドサイドでの解析が必要出あり、手技に慣れない者でも
解析可能であることや、ある程度の網羅的解析が必要であることから、将来的な臨床SNP解析法として
DNAチップが有望視され、その改良が求められています。
弊社では国内のトオップレベルの研究者とコラボレーションし、従来のDNAチップシステムが持つ
解析再現性の低さと高コストという弱点を克服し、臨床SNP解析に適した次世代型のDNAチップシステム、
プローブオンキャリア型DNAチップを考案し、これまで開発研究を行ってきました。
プローブオンキャリア法とは? プローブオンキャリア法とは、担体と一体型のままプローブとして基板上に接着、集積化する
DNAチップ作製法です。
本法では、一体化したオリゴヌクレオチド担体プローブである「プローブオンキャリア」を開発し、
このプロブオンキャリアごとスライドガラスなどに固着させることによって、オリゴヌクレオチド型
DNAチップを実現します。
プローブオンキャリア型DNAチップでは、化学合成用担体がDNAチップの一部となるため、担体は
無蛍光でなければなりません。また、核酸やたんぱく質の非特異性吸着が少ないことや、熱や化学物質
への耐久性も必要となります。また、巨大分子であるDNAと安定的にハイブリダイゼーションできる
大きな反応場を持つ必要もあります。
このような条件をあわせもつ材料として注目したのが分相法ポーラスガラスです。
分相法ポーラスガラス CPGとも呼ばれる分相法ポーラスガラスは、石英ガラスのスポンジとも言えます。
この材料の最大の特徴は、高い反応性と石英ガラス素材としての安定性、かつ光学的透明性です。
また、適切に作製されたものは、高い細孔径の制御性を持ちます。
ここで、あえて適切に作製されたものという表現を用いるのは、分相法ポーラスガラスの細孔を
制御する技術は極めて難しく、これまでに十分に制御された素材は供給されていませんでした。
弊社ではこの素材を安定的に供給することを可能にし、プローブオンキャリア型DNAチップの
安定的な作製を可能といたしました。